この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

西村賢太と北町貫多がいなくなった日

今週のお題「復活してほしいもの」

西村賢太の小説

賢太が死んじまった

2022年2月5日。私小説家・西村賢太の死去を伝えるニュースが流れた。

月並みな言い方だが、ただただ衝撃だった。呆然とした。
自分の人生に大きく影響を与えてくれた人物の死はきつい。

西村賢太は、おれが全著作をコンプリートした唯一の作家だ。
新作を常に楽しみに待っていた唯一の作家だ。
私小説というジャンルの無二の愉しさを教えてくれた作家であり、その魅力を知ってしまったことにより、一時期は私小説的要素のない作品を受けつけられないことさえあった。
ついでに言えば、恥ずかしながら聖地巡礼という馬鹿げた衝動に突き動かされ、なんとその自宅の前まで訪れてしまった唯一の作家でもある。

その死を伝えるニュースを見てからというもの、ここ一週間ずっと西村賢太作品を読み返している。

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痴漢かっけえ!になりかねない。すごいよ大江健三郎

特別お題「わたしの推し

チカンアカンのポスター

  • 2022年、私の固定観念がひとつ崩されつつある。
  • すべてはノルウェイの森から始まった。
  • はじめての大江健三郎
  • 性的人間ってこんな話
  • 青年の訴える痴漢道。おれが狂ったのはやつのせいさ。
  • 性的人間を読了して思ったこと

2022年、私の固定観念がひとつ崩されつつある。

2022年始まって早々に、とんでもない意識の変化が起きてしまった。
これがまたとんでもなくアクロバットな変化だ、もう革命だ。

その変革された意識がどんなものかというと、
「痴漢、超かっこいい!」
これだ。

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全然死にたくならないぜ。かかってこい人生。

「ぼくは二十歳だった。それが人生で一番美しい年齢などとは誰にも言わせない」ポール・二ザン

実話ナックルズっぽい写真

ほとばしる実話ナックルズ

かのポール・二ザンの有名な一節を体現するように全然美しくない、どころかやたらと反社感あふれる一枚の写真。
左に写るのが若き日の私。そして右に写るのが友人のガロム・ギャラガだ。

写真からもビンビン伝わるように、おれたちは愚かだった。愚かさ特有のオーラが炸裂している。
この写真をあげるにあたり、イリーガルなものが写っていないか細かく確認したくらい、おれは当時の自分をまったく信用していない。

とにかく、おれたちは社会で真っ当に働いて生きていける人間ではなかった
いやおれはともかく、ガロムは社会に出られる人間ではない。おれはそう思っていた。

そしてなにがきっかけというわけでもないが、おれとガロムはいつしか疎遠になっていた。
ここ何年も音信不通が続いていた。

おれはガロムの社会不適合性をよく知っていたので、
「ああ、彼はこの生きづらい現世から旅立って次のステージに向かったんだな」と実はかなり本気で思っていた。

 

linkco.re

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例のモニターヘッドホン「ソニーの赤帯」はミックス向きじゃありませんよ

SONY MDR-CD900STのイメージ画像

例のモニターヘッドホン・赤帯ことMDR-CD900ST
  • DTMerは嘘をつかない。たまに誤ちをおかすだけだ。
  • モニターヘッドホン「SONY MDR-CD900ST」とは
  • モニターヘッドホンを使う理由とは
  • スタジオの定番・SONY MDR-CD900ST最強論
  • モニターヘッドホンの王者・MDR-CD900STへ疑念がわく
  • やっぱりMDR-CD900STはミックス向きじゃないようだ
  • ミキシング用途ならオーテクATH-M50がおすすめです

DTMerは嘘をつかない。たまに誤ちをおかすだけだ。

DTM(パソコンで音楽を作ること)を初めて、早2年くらいか。

MIDIってなんですか? WAVとは? みたいなところから始まって、今はそれなりの知識でそれなりのミックス(編曲)をして、なんとか一曲を作れるようにはなってきた。

余談だが話題の歌姫と曲も出せた。

 

dada9.hatenablog.com

 

独学でもなんとかできるようになったのは、先人DTMerたちが惜しげもなくネットに公開している様々なTips、金言のおかげだ。

「コンプ とEQは音を決める最重要ポイントなり」
何度も見たこの言葉も当初は「またかよ。なに言ってんだこのメガネ。メガネか知らんけど」って無駄にとがってうがって読んでた感じだったが、今はその意味がしかとわかる。
たしかに最重要だ。

まあそんな感じでGoogleの検索バーの入力方法さえ知っていれば独学でなんとかなる時代なのだが、無知ゆえに先人の情報を盲目的に信じて騙されることも多々ある。

で、おれがこの2年で「これはやられた」と思った情報が、いまだにモニターヘッドホンとして王者の座に君臨し続けるSONY MDR-CD900ST】の件だ。

サウンドハウス

モニターヘッドホン「SONY MDR-CD900ST」とは

通称・赤帯と呼ばれるソニーの開発したモニター用ヘッドホン。
有名アーティスト達がしょっちゅうレコーディングシーンで着けており、誰もが一度は目にしたことのある赤のラインが特徴的超定番のヘッドホンである。

原音のイメージに色をつけず再現するピュアな音質。
はっきりくっきり研ぎ澄まされた輪郭と音像。
また定位、エコーの拡がり感の微妙なニュアンスまで再現する高い再生能力で、スタジオエンジニアを始めプロからの信頼も厚い名器である。

耐久性にも優れ、消耗品の交換パーツも潤沢で、長期にわたる使用が可能となっている。

この「裸の音を聞かせる」と言われるちょっぴりエッチな高性能モニターヘッドホンの王者の座は、令和に入った今なお健在なのではあるが、困ったことにこいつの使い方が誤った形で広まっている。

かなり熟練のDTMerたちでさえ、間違った利用法をしている。

その間違った使い方とは、MDR-CD900STをミックス作業の際に使うということだ。

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