この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

今日こそOKコンピューターについて語りたい

難問「レディオヘッドでオススメの曲ってなんですか?」

RADIOHEADが好き」

おれはこう言う奴が基本嫌いだ。

レディオヘッド好きを公言する奴の大体が、おしゃれなヒゲを生やしている。
レディオヘッド好きを公言する奴の大体が、村上春樹も好きだったりする。
この手合いは大体「羊をめぐる冒険」を推してくる。間違ってもノルウェイの森が好きとは言わない。

で、おれはというと、
『どんな音楽聴くんですか?』ときたら、
RADIOHEADとか好きっすね」と答える、矛盾のかたまりのような丸メガネ野郎だ。

まあそれはいい。
話をガラリと変えるとレディオヘッド好きが一番されて困る質問の1位がレディオヘッドで一番オススメの曲ってなんですか??』ではないだろうか。

ちなみに2位は『なんでラジオじゃなくてレディオなんですか?』だろう。
まあ、その質問への返しはパンチで充分だ。

Paranoid androidというリトマス紙

レディオヘッドで一番オススメの曲ってなんですか??』
おれは過去何十回とこの質問をされてきた。
ときには「えーと、クリープかな」と無難にいったこともある。
ときには「うーん、、、ちょっと考えさせて」とマジに悩んだこともある。
ときには「特にねーよ。てか、レディオヘッドってなに?」ととっ散らかった答えを言ったこともある。

そしてようやく最近になって、おれは答えがわかった。

「とにかくParanoid android(パラノイドアンドロイド)を聴いてみろ」
これだ。

Paranoid androidはOKコンピューターの1stシングルカットとして世に出された至高の一曲だ。
あれだけ個性的な曲が収録されたアルバムの中でも、群を抜いてキテレツかつ魅力的な一曲である。
これを勧める時に注意することはひとつ。
「とりあえず終わりまで聴け」ということだ。

この曲は3つの異なるパートをつなぎ合わされてできている。
妖しく危険なレディオヘッド→激しくバイオレンスなレディオヘッド→悲しく美しいレディオヘッド→激しくバイオレンスなレディオヘッド→終了
と、こんな流れになっている。

なんだか情緒不安定なDV夫みたいなことになっているが、とにかくレディオヘッドの魅力といえるほとんどの部分がこの一曲だけで味わえるバリュー感のある曲なのだ。
逆に言うと、この曲を聴いてピンとくる部分が1秒もなかったら、むしろそれ以降レディオヘッドを聴かなくてもよいというくらい、リトマス紙的な判断材料になる曲でもある。

逆にこれを聴いて、3パートすべてに魅力を感じたら、OKコンピューターを一曲目のAirbagから聴いていけばいい。
そこから先はレディオヘッドの沼にはまる一方だ。
おれも一時期、レディオヘッド以外の音楽に反応を示さなくなるほど不感症になった。
それくらいDOPEなアルバムだ。

OKコンピューター収録曲のひとことレビューだぜ

夢うつつのまま時速300キロでコーナーに突入していくようなAirbag
This is RADIOHEADな前述Paranoid android
いまだに名前を覚えられないSubterranean Homesick Alien
鳥肌が立つほど美しい呪詛、Exit Music
万華鏡のようなLet Downーーここでようやく息をつける
変態的におぞましいMVが素敵だが、とにかく名曲Karma Police
富裕層の醜さを知らしめるFitter Happierーーおれの歌詞にとにかく「豚」が多いのは、これとParanoid androidの影響だ。
これも緊張感ある一曲だが、おかしなことにこのアルバムの中だとポップに聴こえるElectioneering
二日酔いの頭痛と目眩を起こさせるClimbing Up the Walls
毒を真っ白な生クリームでデコレーションしたように飲み込みやすいケーキNo Surprises
エモーショナルで美しき怒りLuckyーーおれが一番好きな曲
そして夜が明ける寸前の薄暗く冷たい空気を音に変えたようなThe Tourist

ーーいや、すごい。
最後の3曲の畳み掛け方なんて本当に圧巻で、10代のときのおれは泣いたもんな。なんの涙かわからないけど。
凄いものに触れたとき、人間は泣くんだな。と初めて知った。

まあ、そんな多感だった少年も、今や抗生物質漬けの豚ですわ。
では、最後にFitter happierの和訳でGoodnight。


Fitter happier
よりよい幸福
more productive
さらなる生産性
comfortable
快適に
not drinking too much
飲みすぎず
regular exercise at the gym (3 days a week)
週3回のジムでの運動
getting on better with your associate employee contemporaries
同世代の奴らと上手くやり
at ease
くつろいで
eating well (no more microwave dinners and saturated fats)
食欲旺盛ーーレンジ食品と脂肪には気をつけ
a patient better driver
優良ドライバー
a safer car (baby smiling in back seat)
より安全な車でーーバックシートで笑う子供
sleeping well (no bad dreams)
良質な睡眠ーー悪い夢はみない
no paranoia
偏執的にならずに
careful to all animals (never washing spiders down the plughole)
すべての動物を愛しむーークモを排水溝に流したりもしない
keep in contact with old friends (enjoy a drink now and then)
旧友との付き合いも続けーーときどき飲みにいく
will frequently check credit at (moral) bank (hole in wall)
銀行とやましい金の残高チェックは欠かさない
favours for favours
支持者に向けて
fond but not in love
振りまく愛嬌 でも愛はない
charity standing orders
慈善活動も忘れない
on sundays ring road supermarket
日曜は自転車でスーパー
(no killing moths or putting boiling water on the ants)
ーー蛾は殺さない、蟻に湯をかけることはしない
car wash (also on sundays)
車を洗いーーこれも日曜に
no longer afraid of the dark
暗闇も昼間の影も
or midday shadows
恐れはしない
nothing so ridiculously teenage and desperate
10代ほど愚かで絶望的で
nothing so childish
ガキそのものの時代はない
at a better pace
適度なペースを守る
slower and more calculated
急がず、そして計算高く
no chance of escape
逃避など考えない
now self-employed
自分の事業もある
concerned (but powerless)
心配もするーー自分がなんの役に立たなくとも
an empowered and informed member of society (pragmatism not idealism)
情報に通じた社会性のあるーー力をもった社会人としてーーまずは実用性ーー理想ではない
will not cry in public
人前で決して泣かない
less chance of illness
病むことなく
tires that grip in the wet (shot of baby strapped in back seat)
雨でも安心のタイヤーーバックシートに子供の写真
a good memory
記憶力良好
still cries at a good film
素敵な映画には涙を流す
still kisses with saliva
ーー醜いほどにーー熱烈なキス
no longer empty and frantic
虚無も怒りもない
like a cat
まるで猫のように
tied to a stick
柱にしがみつき
that's driven into frozen winter shit (the ability to laugh at weakness)
凍えるような冬に向かって突っ込むーー弱者を嗤いながら
calm
穏やかに
fitter, healthier and more productive
適応力良好 健康状態良好 生産性良好
a pig

in a cage
檻の中の豚
on antibiotics
抗生物質漬けの豚

 

さらばだ、豚野郎。