この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

上手くなくてもいいじゃない。スクワイヤだもの

おいらジャグァーを買ったのさ

前回ブログを更新した時、おれは匂わせるようにきまりが悪そうに遠回しに愛機・SGとの間に不穏なムードが流れ出していることを書いた。

そしてあれから何週間か経った今。 素っ裸のおれの腕に抱かれているのは。 やはり。 SGでなかった

ジャグァーだ。 やはり自身で予言した通り、おれはおれの衝動的欲求を制御できなかった。 そう、 Jaguarを買ってしまった。 そしてその新しい嫁、Jaguarを素っ裸で抱いて今ブログを書いている。

素っ裸である理由は、おれにもわからない。

男は黙ってSQUIER

衝動的にジャガーが買える。 しかも増税直後に。 18歳の頃のおれでは信じられない話だ。 しかしこれが社会人だ。 サラリーマンにして独身貴族の力だ。ネクタイという首輪の成果で、反抗の象徴ともいえるエレキギターを買う。 このねじれ現象をうまく消化できるくらい、いつしかおれは大人になっていた。

ただジャガージャガーでも、実はFENDER製ではない。 おれのジャガーSQUIER(スクワイヤだ。

SQUIERとはFENDERの廉価ブランドであり、伝統のFENDER社の音を求めやすい価格で販売しているブランドだ。

【SQUIERについて】 SQUIER(スクワイア、人によってはスクワイヤー)はかの有名ブランドFENDERの兄弟ブランドとして1982年に発表された。 最初は日本国内の専売ブランドとして販売されていたが、今は世界中で販売され愛されている。 テレキャスターストラトキャスターを始め、FENDERの代表的機種のあの作り、あの音を手頃な値段で買えるため、ビギナーにはもってこいのブランドである。

 

おれのSGがギブソンではなくエピフォンであったように、おれは子会社や子ブランドに愛着というかシンパシーをなぜか覚える。 それに皆がドヤ顔で手にする王道ブランドにツバを吐いていたい妙なパンク魂もある。 もちろん金がないという事情もある。 あと、これはおれだけの感情かもしれないが、子ブランドだと上手くなくてもいいという免罪符を感じる。

しないをするためのスクワイヤ

おれのギタースタイルは独特だ。 まず、できる限り練習をしない。 もう徹底して極力、練習はしない。 曲を成立させるのにギリギリの技術しか磨かない。 ギリギリでアウトな技術でここまできた。

わかってる。 そう、わかってる。 胸をはって書くことじゃない。 練習しないなんて猿でもできる。 比喩ではなく猿でもできる。

これにはいくつか理由があって、まずはクリエイター魂だ。 今まで何回か書いてきたけど、そもそもおれはビートメイカーやソングライターに憧れて音楽に手をつけて、それで無数にあるうちの入り口をやや間違える形でエレキギターを手にした男だ。 これこそ胸をはっていうことでもなんでもないが、そもそも上手く弾けるということへの欲求がそんなにない。 ないから練習しない。 シンプルな話だ。

こんな奴はギターを持つんじゃねえ。 おれ自身そう思う。

でも曲を形にするためにギターは必要だ。 だから買う。 音に対する好き嫌いもそこそこある。 だからSGを手放し、ジャガーを選ぶ行為に出る。

ただ、そんなギターの使用方法はギターへの冒涜である。 おれ自身そう思う。

その内省的で軽く病的な罪の意識を和らげてくれるのがヘッドに刻印されたSQUIERの文字だ。 これがFenderだと、おれにはその名前が重すぎる

上手くなくてもいいじゃない、SQUIERだもの

なんていうか、そんなみつを的な許され感、開き直り感をこのブランドはおれにもたらす。 太文字にもしたくなるってなもんだ。

しっかし、たまらん音出すのよ、このジャガーちゅあん

しっかしたまらん。 このジャキジャキ感。 もうほんとこんな文字でジャキジャキとか書いてないで、実際に聞かせてあげたいよこの音。 録音してここにアップすれば良いんだけど。 それがなぜかとてつもなく面倒に感じるからやらないんだけど。

ジャキジャキ。

スクワイヤは、正真正銘のフェンダー直系のブランドだ。 その音の再現度たるや、純然たるフェンダー音そのものだ。 それにシングルコイルピックアップの音は、良くも悪くもある種のチープさのある音だ。 そもそもが上質さとはちょっとずれたソリッドな音だから、それもあって差を感じづらい気がする。

ジャキジャキ。

……たまらん。

ジャガーを愛用するビッグネームは多数いるが、その中にはNIRVANAカート・コバーンもいる。 おれがジャガーを神格化していたのも、カートが使っていた事実によるものが大きい。 なんだかんだで、カート・コバーンはやはり神だ。

ジミヘン同様に左ききのカートは、右きき用のギターを左に持ち替えて使っていた。 (ギターはその9割が右きき用のため、必然的に良い音がするギターは右きき用のものが多いので、この無理くりな技を使ったとされる) まあ、これが格好良いのなんので、まねっこ動物にして完全に右ききのおれは、苦肉の策として左きき用のギターを買って右に持ち替えようと本末転倒な奇策にでようとしたこともある。

ジャキジャキ。

いや、てかジャガーって音とかどうとかの前に、ジャガーって名前が格好いいもの。 ジャガーの後に名字をつけると、いきなり女子プロレスが満載になるけど、それを差し引いても格好いいもの。

ジャキジャキ。 ジャキジャキ。

いや、たまらん。音が。

たまらん、じゃ表現できない。

なんていうか、たまりゃんって感じだ。 たまりゃんよ〜ジャグァーちゅあーんってな感じだ。 どんな感じだ。

ジャキジャキ。