この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

テレワークで歩けなくなった私はバランスボールにすべてを託した

jellyfishchair

 テレワークで太り、なのに足腰の筋肉は弱り、おれはぽっちゃり気味の小鹿となった。

新型コロナの影響で在宅勤務が続き、それはもはやおれの中では当たり前の日常になりつつある。
先ほどまでPCに向かって仕事をして、勤怠確認云々を済ませ業務を終わらせ、またPCに向かってこのブログを書いている。

疲れた顔も、なんだか雑になってきた服装も先ほどのおれと同様だ。
ただ、先ほどのおれと違うのは、今や自由の身ということだ。
少なくとも今日の夜あと数時間はおれの天下だ。

さらに数時間経つと、この部屋が再びオフィスに変わるのだが、それは考えないでおこう。
先の予測は大事だが、人間を不幸にすることもある。

正直、今となっては通勤にドアドアで数十分かけていたのが信じられない。
会社が終わった瞬間、瞬間移動して部屋に帰ってきたような喜びを覚えていたのも先週まで。
もはや今は出勤自体がないのが当たり前と脳が認識している。

もちろん出社に費やしていた分、朝は遅く起きているし、改めて出社が始まったら、間違いなく「そんな理不尽なことあるんかい!」と思うし、その怒りを理不尽に会社にぶつけてしまいそうで怖い。

しかしもっと怖いのはこの体力の慢性的な低下だ。
具体的に言えば、ぽっちゃり太り出した腹と、それに反比例するようにか細くなっていく足腰だ。

運動不足にもほどがある…散歩で脚がガクガクの小鹿になった日

先週の日曜、おれは散歩とトイレットペーパーを入手がてら、一駅先の駅まで歩いてみた。

スタートした瞬間に思った。
「うまく歩けねえ」
そう、なんか脚がふわふわ地につかない感じで、正座直後の歩き出しみたいな違和感なのだ。

それも束の間、今度は脚がガクガクと小さく揺れ出した。
膝がいつカックンといってもおかしくないくらい不安定さを感じる。
おれは急に心細くなった。

ぱっと見は黒いフードを被った不審な男だが、その脚は子鹿ちゃんなのだ。
親鹿も優しい飼育員さんもそばにいない、かわいそうな子鹿ちゃんなのだ。

家に戻ろうにもそれは悔しい。
しかしここで倒れたら、きっと何かをキメたヤバイ奴がいると誤解される。

その信念だけで、おれは歩き切り、トイレットペーパーも入手し、帰りは屈辱的な電車を使って家路についた。

オシャレすぎるバランスボール椅子・jellyfish chairで、仕事をしながらダイエットや

で、家についたおれは自らの運動不足を痛感して、なにか対策を打たねばと焦った。

なにしろよく考えたら、メシ作るとき、コーヒーいれるとき、シャワー浴びるとき以外、おれは座っているのだ。
これは子鹿ちゃんになるにも致し方ない劣悪な環境だ。

おれは埃のかぶったラクタウン(おれの部屋で愛着あるガラクタが眠るゾーン)からひとつの封印していた椅子を取り出した。

それが冒頭の写真のなんか権威あるデザイナーっぽいスキンズが座っているjerryfish cair(ジェリーフィッシュチェア)だ。

公式の説明によれば、スウェーデンのデザイナー・Rutger Andersson(これが写真のスキンズか)が手がけた、デザインチェアとエクササイズを融合したチェアであり、中身はバランスボールという代物だ。

数年前にデザインに惹かれて買ったはいいが、そのなかなかのスパルタな座り心地と中途半端な高さのせいで、見事にガラクタウン行きがきまり、ドナドナの口笛と共に封印されたいわくつきの品である。

おれはその封印を破り、仕事をしながらでも肉体を鍛えるという、一石二鳥の策に出た。

久しぶりに出して思ったのが、「やっぱビジュアル格好いい」だ。
これがひとつあるだけで、いきなり部屋がキューブリック的な空間に変わる。
久しぶりに座って思ったのが「やっぱりお前座りにくいよ」だ
パソコンで文字を入力するごとに、おれの体幹が驚いているのがわかる。

そんな感じで今日1日使ってみて…。

とりあえずお腹と背中が痛い。
しかしこれが成長の痛みなのだろう。

筋肉の破壊される断末魔の絶叫であり、再生の産声でもあるのだ。

おれは充実した気分でプロテインを飲み、今この原稿を書いている。
が、よく考えたらこの椅子、脚には関係ないじゃないか。

ちくしょう、腹筋の割れた子鹿ちゃんになってやろうじゃないか。

では。