「ぼくは二十歳だった。それが人生で一番美しい年齢などとは誰にも言わせない」ポール・二ザン
かのポール・二ザンの有名な一節を体現するように全然美しくない、どころかやたらと反社感あふれる一枚の写真。
左に写るのが若き日の私。そして右に写るのが友人のガロム・ギャラガーだ。
写真からもビンビン伝わるように、おれたちは愚かだった。愚かさ特有のオーラが炸裂している。
この写真をあげるにあたり、イリーガルなものが写っていないか細かく確認したくらい、おれは当時の自分をまったく信用していない。
とにかく、おれたちは社会で真っ当に働いて生きていける人間ではなかった。
いやおれはともかく、ガロムは社会に出られる人間ではない。おれはそう思っていた。
そしてなにがきっかけというわけでもないが、おれとガロムはいつしか疎遠になっていた。
ここ何年も音信不通が続いていた。
おれはガロムの社会不適合性をよく知っていたので、
「ああ、彼はこの生きづらい現世から旅立って次のステージに向かったんだな」と実はかなり本気で思っていた。
まさかの現世での再会。蘇る変態。
しかし、ガロムは次のステージに向かわずこの世でしっかりと、むしろおれよりもしっかりと強く生き続けていて、先日おれのもとへと帰ってきた。
詳しい説明は省くが、心はボロボロであったものの体はピンピンしていた。
そしてなによりおれが嬉しかったのは、彼のパンクな変態性が依然として健在だったことだ。
おれたちの再会を繋いだのは、お互いが好きだったロックバンド・OASISの伝説のライブをテーマに今年公開された映画「オアシス ネブワース1996」だった。
これを観ておれの存在を思い出したガロムが、なんらかの手段でおれのスマホまでたどり着き連絡をとってきたのだ。
偉大なるバンドOASISが時を超えて、ふたりの変態を運命的に再会させた。
そしてなぜか曲を録る。テーマは"かかってこい人生"
そして今回のはてなブログから出されたテーマ「フリーにはたらく」と先日リリースした楽曲のPRを同時にしたいという、こじつけチックな話が今から展開される。
このブログをお読みの方はご存知だろうが、おれは今一般企業に勤める会社員でありながら、ここ一年くらい音楽を作り小銭を稼ぐ二刀流の生き方をしている。
まずはとりあえず曲のPRだ。
この度「Cenzury like a Bruce Lee」という曲をリリースした。
先の通り、長い時を経て再会した二人がテンションと勢いだけで作り上げた楽曲だ。
超久しぶりのガロムとの再会で起きた喜びと感動、そして暗雲漂う未来へ向けたふたりのファイティングポーズみたいな曲だ。
ラストの「全然死にたくならないぜ。かかってこい人生。」というガロムのラップ、いやラップというか朗読におれは痺れた。
【Cenzury like a Bruce Lee】
Mr.Morick & Garom gallagher
すべてを失った男と、失うものが無い男。
その夜、久しぶりの再会を果たしたふたりは、レコーディングスタジオに突入し、踊り狂いながらこの曲を録音した。
暗いリビドーと激しいグルーヴが渦巻くこの曲は、何も持たざるふたりの人生にささげるファイティングポーズそのものである。
レコーディングスタジオで撮った録音風景をMVに仕立て上げることまでして、とても思い出深い曲になった。
ちなみに歌詞に出てくる"ブルースリー"は、奥田民生の名曲「マシマロ」と同じくらい曲と関係ない。
ではでは今日はおやすみなさい。