今週のお題「二軍のTシャツ」
捨てられないけど着られないTシャツたち
Tシャツが好きだ。
正確にいえば、イラストがデザインされたTシャツが好きだ。
だから無地のTシャツはほとんど着ない。というか持っていない。
おれの夏のスタイリングは、ふざけたTシャツか真面目なシャツかのほぼ二択だ。
そして厳しいことに、社会人にはふざけられないシーンがちょいちょいある。
どんなに顔がマジでも、どんなに誠意を込めて謝っても、胸のイラストがふざけていたらもうアウトだ。
ピョン吉がいくら元気に喋ろうが、シリアスな場面にはやはり襟付きのシャツの圧勝なのだ。
なので、おれがTシャツを着る頻度というのは年々少なくなっていった。
さらにその過程の中で、おれは断捨離という言葉を覚えた。そして集めに集めまくったTシャツを泣く泣く捨てた夜があった。
しかし、その中でもどうしても捨てられないTシャツというのはある。
今週のお題が「二軍のTシャツ」ということで、これからおれのクローゼットにあるTシャツを紹介する。
テーマは「二軍」のTシャツであるが、これらは上記の断捨離という名のリストラ地獄をくぐり抜けた立派な一軍の猛者たちだ。
しかしながら、ここに挙げるということは、要するに着るに着られない訳ありの連中でもある。
「好きなんだけど、ほんとに大好きなんだけど、ただもう着ることはなさそうだなぁあ」
そんな温度感の愛すべきTシャツたちである。
ちなみに収納方法が独特なため、基本的にくしゃくしゃである。
無精な男のキュートな一面だと思って許してください。
1:歌うミッキーマウス
会社の女子に「ミッキーが鼻フックしてるのかと思いました」とハードな解釈をされたことがあるこの一枚。
ミッキーマウスがマイクスタンドの前で、後ろに手を組んで高らかに歌うイラストのTシャツです。
これロック好きな人はここでピンとくるんですよね。
で、この後ろ姿で「おお、やっぱり!」となる。
この後ろ手で持つタンバリン。
そう、元OASISのリアム・ギャラガーの歌う姿がモチーフのミッキーマウスなんです。
リアム・ギャラガーは私が崇めるロック多神教の神のひとりで、特別大好きなひとりでもあるので、このTシャツはすごく気に入っているんですが、いかんせんミッキーがかわいすぎる。
このかわいさが、おれのリアム像に反して着ることができないというややこしい事態を招く一着なのです。
なんていうか、そもそもリアムがこれを着る男を許すか? って思っちゃうんですよね。
「お前がそんな腑抜けだとは思わなかったぜ。フ●●キンお●●こ野郎が」
そんな感じに脳内のリアム・ギャラガーに伏字だらけで罵倒されるので、着用を控えている次第です。
2:アップルっぽいカップル
iPhoneの裏で見たような例のリンゴっぽいシルエットが印象的なTシャツです。
「Ajides」「NIKU」「GAG」みたいなパロディTシャツの部類に入りそうだけど、意外と気づかれない絶妙なアレンジ具合がなんともな感じです。
意外と女子ウケするところもなんともなんともな感じです。
あんまり着ない理由はあれっすね、常にくしゃくしゃなので着る気が失せてしまうんですね。自業自得。ちゃんとたたみましょう。
3:前田智徳Tシャツ
野球少年だったおれが一番好きだった選手、元広島カープの前田智徳選手のTシャツです。
現役時代の殺気あふれる孤高の侍のような姿を見ていた元少年は、現在のスイーツ好きのお茶目なおじ様になった姿をYouTubeで見ると、パラレルワールドに迷い込んだような不思議な気分になります。
とはいえ今の前田智徳も大好きです。
このTシャツはたしか名球会の公式HPで買ったような記憶があります。
なかなか着ない理由は大きく二つあって、まず顔が似てないとこである。
似顔絵Tシャツで顔が似てないほど致命的な悲劇はこの世にない。
あともう一つは背中に載っているデータが間違えてるとこ。
「右投げ左打ち」の前田智徳が「左投げ右打ち」になってしまっている。
顔が違くて打ち方も投げ方も違う前田智徳は、もはや前田智徳じゃないよ。
まじで誰よ!
4:中指を立てるおねーちゃんT
やたら攻撃的なおねーちゃんが際立つ、ヒステリックグラマーのTシャツです。
けっこう気に入っていてちょいちょい着てたのですが、仕事で外国人の方が多いエリアで働くことになって、
「このポーズ、日本人ならぎりセーフだけど、外国人から見たら実際どうなんだろ」と国際的コンプラ意識が芽生えて、登板が少なくなったTシャツです。
実は元々、おねーちゃんが挑発的に目をひん剥いて、ばっちりくっきり中指をビンビンに立ててる写真でしたが、「もうちょっと奥ゆかしくなってくれ日本だし」との思いで、私がマッキーを使って目線と指を隠してあげたという涙ぐましい一着です。
それが正解だったかどうか、いまだに私にはわかりません。
ではでは。