この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

彼女がイチゴの意味を知ったとき

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過去の学び総出でやりますね

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このたび、Strawberries On Snow(ストロベリーズオンスノー)という曲をリリースした。

詩歩嬢との久々のfeat.だ。というかボーカルは全任せだ。
クオリティの観点からまったく出る幕がない。
とにかくよくぞこのメガネを覚えててくれていた。

 

dada9.hatenablog.com

 

もう本当に、今までの中でもぶっちぎりに丁寧に作りこんだ。
静かな絵本のように始まり、絶え間なく変化するドラマティックな曲になった。

作品の良し悪しには関係ないが、とにかく時間がかかっただけに、今はやり切った達成感はすごい。
11月から記憶が飛んでいる。ブログの内容がドッペルゲンガーの話に思える。

なんでこんな気合が入ったかというと、まずは後悔だ。
今までの詩歩嬢との曲で、後で悔やむことが多すぎた。
すべて当時のおれの知識のなさ・スキルのなさゆえだ。

自分のときは「それが逆にロックだし」で開きなおれるが、女子を巻き込んでそんなこと言う奴はロックじゃねえ。どころか漢じゃねえ

というわけで今回がおれの集大成の曲として位置付けたのだ。
2年で学んだDTMスキルの総動員だ。全員集合だ。

 

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うかつに依頼をかけられない

今回の曲、まずは自分で録ってみて、これはあかん自分じゃだめだ絶対頼むべきだと判断して頼んだわけだが、いざ頼むのには葛藤があった。

曲に隠れたテーマは重く、その重いテーマを広い意味でエンタメとして扱う業な行為だ。
曲を良くすることには誠実だが、それ以上の美しいメッセージや思想はない。
歌詞のFワードはどうしても必要だったからはずせない。

躊躇する理由ばかりだった。

で、結果的におれは勢いで頼み、そして快いOK。なんて良い子。
ああでもこれはちゃんと作らないとだなあ。できっかなあ。

しばらくして届いたボーカルは、めちゃくちゃ良かった。曲が化けた。
もうやるぞこんちくしょう。

曲作りのきっかけは歌仙さんと洋一郎さん

ちなみに曲の着想のきっかけはふたつあって、

・ひとつめはマンガ『マイホームヒーロー』鳥栖歌仙さん
・ふたつめは山崎洋一郎氏(rockin'onの元編集長)がどこかで語ってたEMINEMのSTANという曲のレビューのおぼろげな記憶。
である。

マイホームヒーローのシーン

まず歌仙さんの方だが、もうこれはコマを見せたほうが早い。

マイホームヒーロー の歌仙さんシーン

マイホームヒーロー の歌仙さんシーン


状況を簡単に言うと、メガネのお母さん(歌仙さん)が娘を守るために、敵対するメンバーの実家に壊滅的なトラップを仕掛けようとするシーンだ。

背景から説明しだすともう脱線がメインになっちゃうので避けますが、ここになぜかすごく感じ入ったのである。

洋一郎氏のSTAN評

山崎洋一郎氏だが、これはサスペンス的な物語要素の強いSTANに対して「この情報量の多いストーリーを曲にして実現できるのはHIPHOPというフォーマットならでは」という内容だったと思う。

これソースとなる記事が見つけられなくて、いったいどこで読んだのかしらって感じなのだが、たぶん合ってるはずだ。

今回の曲も、結果的にはメロディーがついてしっかりしたPOPS調になったが、元々はHIPHOPとなる予定だった典型的なループミュージックだ。

「この情報量の多いストーリーを曲にして実現できるのはHIPHOPというフォーマットならでは」 これと同じことを実現しようと企んだのだ。

そして曲ができた

リリックを書くのに脳フル動員で、ミキシングでスキルフル動員で燃え尽きてようやく曲が完成した。

1年後にあーすればよかったこーすればよかったは出てきそうだが、とりあえず今できるすべては出し尽くした。

悔いなし。今のところ。

最後にリンクと、果敢に韻とテーマに挑んだリリックを載せます。

 

 

www.tunecore.co.jp

 

【Strawberries On Snow】

ベルの音 月が凍る 真冬の夜
記憶のループ 温かいスープ 
暖かい毛布 燃えるストーブ

静寂がもたらす耳鳴りの音
雪がこぼれたチェスターコート
声なき悲鳴 燃やされたノート
アラート響いたサンロード

冷たい指でひらくキャンディ
ミルクの混ざったストロベリー
交差点の大型ビジョン
臨時ニュースが消す外気温

星の光に意味はなく
祈りを捧げる言葉なく
ネオンのきらめき 街のざわめき
近づいてくるパーティーの終わり

彼だけが知る未来の光景
開始つげる 合図は銃声
灯りが消えて残った硝煙
鼓膜ふるわせた最後の悲鳴

サイレンまぶしい回転灯
ケーキにのったイチゴのよう
鎌も羽もマントも持たない普通の男
心もある


アイラヴユー アイミスユー 
でもファッキュー 
永久に続く破壊と再生
あがいてもがいて
墓石の上 花の種植え

照準しぼる 殺りくマシン
操縦席に貼られた写真
少女の笑顔 ただまぶしい
衝動的に思い出すシーン

真っ赤な屋根の小さなうち
真っ白い雪が積もったツリー
カラフルキャンドル 揺れる明かり
あの子の笑顔の思い出ばかり

鳴らさず終わったクラッカー
ゆっくり揺れるロッキンチェア
暖炉のそばでうたたねしてた
三角帽子のあの子の夢

守るため 戻るため
抱きしめあう日 叶えるため
そっと祈って 目をつむって
愛をこめて押されたボタン

ネオンのきらめき 街のざわめき
未来 希望 夢 世界
夜空を白く塗りつぶす発光

 

アイラヴユー アイミスユー 
でもファッキュー 
永久に続く破壊と再生
あがいてもがいて
墓石の上 花の種植え

夜の果て 声途絶え
残光散った凍える廃墟
口元の笑みの意味するものは
誰も知らない 誰も知らない

正義と狂気で描く新世紀
最高の世界の再々構築
誰より愛しく会いたい
あの子を守るヒーローでありたい

真っ赤な屋根の小さなうち
真っ白い雪が積もったツリー
ぐっすり落ちる深い眠り
毛布に入るあの子の夢

守るため 戻るため
抱きしめあう日 叶えるため
獣のよう 響く咆哮
なにかを殺して押しこむボタン

大型ビジョン イルミネーション
人々の日々ひとつ残らず
アイが白く塗りつぶす発光

夢を見たまま覚めないように
夢を見たまま覚めないように
夢を見たまま覚めないように

雪の上に広がる
ストロベリー

ではでは、今日はおやすみなさい。