歌詞を書くのは難しい
大好きな町田康氏のエッセイで、パンクロッカーの書く歌詞はどれも似たりよったりで、豚と猿と犬ばっかり使いやがるとあるのを読んだ記憶がある。
実にぼんやりした記憶だからほとんど妄想かもしれない。
まあ真偽はともかく、御多分にもれずこの僕も、歌詞に出てくる動物は豚と猿のオンパレードだ。
先日めでたくリリースした我がガダラピッグの2曲目「叫べサル野郎」も、タイトルから恥ずかしげもなく一匹目が出てきている。
この曲は、昨日初めてピストルズを聴きましたみたいな、実にアナログ感あふれる直球でオーセンティックなロックで、演奏していると無条件に楽しい。
曲自体をそんなに気に入っていたわけではないのだが、ガロムくんのシャウトと曲調がベストマッチングでドーパミンがドバドバと出る。
ただいつも通り歌詞は難産だった。
難産というとかっこいいが、要するに言いたいことがないから書きようがないだけだ。
思想も集中力もないやつにペンを持たせて「さあどうぞ」と言われても、わけのわからない落書きを描き始めるのが関の山だ。

で、案の定、わけのわからない落書きが自動筆記で生産され始めた。
もちろん歌詞の執筆は一向に進まない。
まず文字を書けやと自分でも思うのだが、なぜか最初の一行が書き出せないのだ。
思春期から洋楽をメインで聴いてきたせいか、歌詞に関してはロールモデルが脳内にないのもでかい。
弱ったなあと思いながら虚ろな目で落書きを量産していたら、レコーディング当日となっていた。
ガロムくんはギターをしっかり練習して、大宮のスタジオでスタンバイしている。
私は電車に飛び乗り、強引に言葉を絞り出した。
とりあえず一行を書いてみる。ここはもう何も考えずに書く。意味など知らん。自動筆記だ。
そしてその一行目に影響を受けた私は二行目を書く。二行目を読んだ私は三行目を書く。
私のペンを進ませるのは思想でもテーマでもない、直前に自ら書いた一行だ。
おらおらおら。乗ってきたぜ、こんちくしょう。
いつしかサビまでたどり着き、そしてサルが現れた。
結果どんな歌詞ができたのか、ぜひ聴いてみてください。
ではでは。
