
タイへ飛んだTCという男
自分にはともちんという愛弟子がいる。
入力が面倒なので以降はTCとしよう。
TCはかつて職場で面倒を見ていた後輩である。基本的には礼儀正しい好青年なのだが、どこかネジが飛んでおり、ふらふらとアングラな世界に惹き寄せられる性質を持っている。
その危うさと向こう見ずな度胸、そして謎の行動力が彼の強さだ。
コロナ禍前、TCはなぜか突然タイに飛んだ。
もともとバックパッカーだっただけに行くこと自体に不思議はなかったが、聞けばなんと現地で就職するという。
「ともちんまじか!タイで暮らすのか!」
『はい、まあとりあえず行ってみようかなと』
それくらい普通のテンションだったと思う。TCの表情からは"決意"といった重たいものは感じられなかった。
ためしにイナゴの佃煮食べてみますくらいの顔だった。
この種族は"とりあえず"のカバー範囲が常人とは違う。この点は本当にリスペクトだ。
そして彼は旅立った。
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