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衝撃作!サターンリターンを読んでみたーん

サターンリターン

サターンリターン

 わたしのおすすめマンガ2020

小説・映画・マンガは、おれのありきたりな日常をうるおす娯楽三大柱だ。
大体2ヶ月おきのルーティーンで、おれはどれかに集中的にハマっている。

ちょうど9月10月は、おれのマンガ月間だった。
先の通り周期は2ヶ月づつなので、来月はたぶんマンガに見向きもせずに小説を読んでいる。

で、ちょうどはてなブログが「はてなブログ タグリリースキャンペーン」として、「わたしのおすすめマンガ2020」というタグを用意していたので、人生で初めてマンガ評を書こうと思ったわけだ。

2020とつくからには最近、というか現在進行形で連載されているマンガをやはり選ぶべきであろう。
現在連載中で私が推しているマンガは3つある。

まずひとつは「喧嘩稼業」
その次が「マイホームヒーロー」
で、残るひとつが今から紹介しようと考えている「サターンリターン」だ。

ちなみにまだ書く前なので恐らくではあるが、ネタバレはほとんどしないと思う。
というより、ネタバレが成立するほど丁寧に書く気力が、平日のおれにはない。

記憶の薄くなったとこを読み返したり、場合によっては印象的なコマを持ってきたりと、ネタバレさせるのもそこそこの気合と労力が必要なのだ。

サターンリターンのあらすじ

書けない小説家・加治理津子。
学生時代の男友達・アオイが夢に現れ理津子に問いかけた。
「それほんとうにお前の人生?」
電話の着信で目が覚めた理津子は、アオイが自殺したことを知らされる。
かつて最も心を許した友人を死をきっかけに、理津子の生活が揺らぎ始める。
見せかけの夫婦関係、書けない小説、取り返しのつかない喪失体験。
ほころびは一気に破綻する。
あなたは喪失に耐えられますか?

各所で話題の暗くて重い大人のミステリー。
『先生の白い嘘』鳥飼茜の衝撃最新作。

と、まんが王国に書いてあった。

ちなみに作者の鳥飼茜は、浅野いにおの嫁である。
なんていうか腹の探りあいの深さがえぐそうな家庭だな、と思う。


このマンガ、なにがむずいって、あらすじを伝えるだけじゃ、まったく魅力が伝わらないということだ。

最初に1巻を読んだとき、おれはめちゃくちゃに衝撃を受け、この面白さを広めようと会う人会う人に勧めまくったが、その際の空回りし続けるプレゼンの中で痛感した。
これ、読まなきゃわかんねえや、と。


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サターンリターンは、魅力を伝えるのが難しい

これはサターンリターンに限ったことでないが、小説でいう純文学的な性質を持った作品は、魅力を人に伝えるのがマジで難しい。

なにが難しいって、この属性の連中は、ストーリー自体は平凡なことがほとんどだからだ。

「話がどう進むか」より、「誰が何を考えて何をしたか」に重きをおかれている。
要するに「ストーリーを描く」とことより、「人間を描く」ほうに重きを置かれている。
つまりはそういうことだ。

この自分で書いていてわかりづらい説明が、残念ながらおれがわかりやく説明できる限界だ。
そして、飲みの席でおれがこういう話を始めると、大体みんなスマホを手に取り出す。

て具合で、読者の方におれが言ってることが理解してもらえたか怪しいので、もうちょっと具体的に説明するか。

例えばおれはつい今しがた、なんの気なしに股間をかいた
頭の中に浮かんでいる想いは「明日仕事いきたくねえ」だ。

ただこれが例えば、「育ての親は、血がつながった実の親でなかったせいか、いつも僕に不自然なくらい優しかった。だけど一度だけ本気で怒られたことがある。それはあの年の10月、雨音のする窓の外の景色を見ながら、なんの気なしに股間をかいていた時だ」と複雑な過去のトラウマを思い出しながら、大人になった今股間をかいているのでは、同じ股間をかいているメガネでも深みというか、股間の味わいが違う。

そういうことだ。

股間の味わいってなんだ。

鳥飼茜は凄すぎる

しっかし、この人(作者)はすごいよ。
なんで人間の心をここまで深く繊細に描写できるんだろうと、本当にため息がでるレベルだ。

小説にしろマンガにしろ、男性作家より女性作家のほうが内面描写の巧さや凄みをもった人が多い気がする。
そして内面描写がうまい作家は、もれなく性描写も秀逸である。

とにかく鳥飼茜の性描写は、なまなましくえぐい
H1回でこれだけのことを考えてるんかい、というくらい、おれの"やっほーい"な感じの、単純スケベが恥ずかしくなるくらい深みのあるエロさを提供してくる。

浮気とか不倫とかであけすけになる男女間の価値観の違いとかも、突き詰めればこの思考の違いによるものかもしれない。
正直、おれの"やっほーい"な心のうちを知ったら、妻だって真剣に怒るのがバカらしくなると思いますよ。
まあ浮気も不倫もしたことないし、よく考えたら妻もいないんで、さらっと読み流してください。

ちなみにさっきも触れたが、鳥飼茜浅野いにおの妻らしい。
浅野いにおといえば、「現代の若者の抱える浅いようで深い心の傷の描写が秀逸」というポジションをおれの中で確立している作家だ。

この二人が夫婦。
単純にすごいな、と思うし、怖いなとも思う。
すっごい笑顔で和気あいあいと夕食を囲った後、自室ではふたりともすごい冷めた目で面倒くさい悩みを抱えてそうで怖い。

なんていうかな、現代の心の闇の日本代表が男女混合で合宿している感じだ。
うん、うまく言えたのかギリわからない。

「サターンリターン ネタバレ」は愚の骨頂

とにかく最後に言っておきたいのは「サターンリターン」は読まないと面白さがわからないよ、とにかく読めよ。ということだ。

「サターンリターン ネタバレ」で検索かけて読んだ気になるのは愚の骨頂というか、その行為がほぼ無意味なマンガのひとつだ。
ぜひとも一度読んで、衝撃を受けて、それを友達に伝えようとして、全然伝わらなくてじたばたするという、おれと同じ思いを味わってほしい。

あとついでにもうひとつ言っておきたいのは、鬱系の作品や背徳感のある作品を楽しめるのは、正常に大人になっている証のひとつとして捉えていいということだ。

あと最後の最後にもうひとつ言っておきたいのは、匂いや雰囲気、感覚で捉えるべき優れた作品を見て「なにを言いたかったかわからない」と言う奴は、大体きまってつまらない奴が多いぞってことだ。


今日は以上だ。おやすみなさい。

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