この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

韓流ドラマ&K-POPアレルギー体質な人こそ韓国映画はめちゃハマる説

今週のお題「最近見た映画」

韓国映画パラサイト

写真一枚でもう不穏!

韓流ドラマはヘド出る。おれが好きなのは "韓国映画" だ。

おれは韓流ドラマが嫌いだ。ヘドがでる。かぼちゃと黒豆と韓流ドラマは女子の食べ物だ。
だが、おれは韓国映画が大好きだ。狂おしいほど好きだ。

脳内映画ランキングをつけたら、TOP10のうち半分は韓国が持っていくなというくらい、おれの中でダントツで強い。

聞くところによると、映画好きの中では「韓国映画のレベルはマジでやばい」というのはもう定説らしい。
が、ごく一般的な人(ここ半年で映画館で観たのは鬼滅の刃くらい)には、韓国映画の凄さはまだまだ知られていない。

おれも以前は、「韓国映画」というワードになんの魅力も感じていなかった。
最初に、友人のATSUSHIから韓国映画が超おもしろいと勧められたときも、おれの食指はピクリとも動かなかった。

いや、ピクリとも動かないどころか、韓国というだけで普通にマイナスにいっていた。

例えば、ロシアやケニアの映画が超おもしろいと言われたら、あまりにも未知すぎてそれはゼロ地点からの評価になるが、いかんせん韓国のカルチャーはすでに色々な形で日本へ流入してきている。

で、そのうちの代表的なカルチャーのひとつが「韓流ドラマ」であり、これがおれの中で、韓国の映像作品全般へのネガティブな先入観を生み出していたのだ。

韓流ドラマの色メガネ

この韓流ドラマ色メガネが、いまだに根強く一般ピーポーの脳に根付いている。
私の頭の中の消しゴムで消してやりたいほど根付いている。

だから、会社の同僚とかと映画の話になり、「韓国映画が好きっすー」というと、大体相手に驚かれる。
えー意外ですね!」と。

もうこれね、歯痒くてしょうがない
驚いている相手の頭の中に浮かんでいるのが、韓流ドラマに違いないからだ。
ガチな韓国映画を観たことがある人間なら、おれが韓国映画を好きといって、意外に感じることなんてありえないのだ。

「えー意外ですね!」ときてくれるならまだいい。
最悪なのは、
「韓国のってなんかちょっと前の日本のドラマに似てる感じでいいですよね! 私の友達もすごくハマってました」みたいに、おれに気を遣ってか、"韓流ドラマ好きのおれ"を肯定してくる奴だ。いや良い子なんだろうけど。

だが、おれの心の中は説明できない屈辱感で荒れ狂う。
思わず『ファ・ニャン・ニョン!』とつぶやいてしまったことさえある。

ちなみにファニャンニョンの意味は、「このメ●豚くされオ●コが」みたいな感じだ。

おれと韓国カルチャーは相性が悪い

基本的に、韓国から流入してきているカルチャーは、ほぼおれの肌に合わない

ばかり出る韓流ドラマや、同じ服で同じダンスをする同じ顔面の連中が商品のように並ぶK-POPとか、あの類だ。

また過去つきあっていた彼女につきあわされる形で、DVDでの鑑賞ではあるが「私の頭の中の消しゴム」や「猟奇的な彼女」など、定番と呼ばれる韓流映画(あえて韓国映画とは書かない)も鑑賞したことがあり、すべてにおいておれが思った感想は「ヘドが出る」であった。

とにかくおれは、日本でどんどん勢力を拡大しつつある韓国カルチャーを徹底的に忌避し、さらにはディスってきた。

おれが新大久保駅周辺(韓国カルチャーのメッカ)を歩いたら、オルチャンメイクのギャルたちから、罵声と石を浴びせられるだろう。

いや、それどころか、人気のない駐車場で囲まれて、唾を吐かれて股間をぐりぐりされるだろう。
ちくしょう、望むところだ。

おれの価値観を破壊した一本の韓国映画

と、まあこんな感じでおれの中で、韓国カルチャーにネガティブなイメージしかなかったのだが、それを思いっきり覆したのがATSUSHIの勧めてくれた映画『OLDBOY』だ。

まあ正直、ATSUSHIの話だけでは全然観る気にならなかったのだが、聞くにこの映画、あのクエンティン・タランティーノが大絶賛していたというのだ。

タランティーノが「グレイト。できることならパルム・ドールカンヌ国際映画祭の最高賞)はこの作品に授与したかった」と大絶賛した作品。

さーて、どんなもんかな。
と、おれは斜に構えた態度で亀田の柿の種を食べながら、ストリーミングで観はじめた。

45分後、おれはamazonオールドボーイのDVDを購入していた。

ん? と思った方。
あなたの感覚は正しい。おれの行動がおかしいのだ。
ストリーミングで映画を観ている途中で、その映画のDVDをamazonで買ったのだ。
おれだってわかっている。これはおかしい。

このおれのラリった行動を説明すると、「これは間違いなくおれ史上に残る傑作で、データだけを保持しているだけでは飽き足らず、物としてしっかり確保しておきたい」ということだ。

いやー、めっちゃくちゃ度肝を抜かれた
韓流ドラマのあのぬるい世界観の完全に真逆をいく、暴力性・生臭さ・迫力だった。
ストーリーの細かいところは色々と綻びはあれど、そんなところで語るべき映画ではない。
とにかく強烈な熱量が、今まで観てきた映画と桁違いだった。

オールドボーイ韓国映画

オールドボーイ

オールドボーイ あらすじ】
ごく平凡な人生を送っていたオ・デスはある日突然拉致され、気がつくと小さな監禁部屋にいた。
理由も知らされぬまま15年監禁され続け、ある日オ・デスはいきなり解放される。
監禁者への復讐を誓うデスの元に現れた謎の男は、5日間で監禁の理由を解き明かせと命じる。

 

オールドボーイの魅力はストーリーにあらず。

これ前に漫画「サターンリターン」について書いた時も言ったが、「オールドボーイ ネタバレ」もしかりで、もうマジで無意味だ。

この映画はいちおうミステリーやサスペンスにジャンル分けされるが、そんなところにこの映画の魅力はない
とんでもない熱量、画面全体から発する暴力性がこの映画のキモであり、むしろストーリーに囚われすぎると、この映画の価値を見失うことになる。

この映画はハリウッド版も作られているが、ちょっと観たところ完全にB級駄作だった。
ハリウッド版は悪い意味でクリーンになっており、何かが決定的に足りてないけど、それが何なのかよくわからん、みたいのが観た後のおれの感想だ。

このアジア特有の臭みにも似たエネルギーの奔流を、アメリカの食材で再現するのは無理がある。
ストーリーは一緒なのに、不思議だなあ。
ただ逆にいうと、この映画の一番の旨味はストーリーではないってことが、ハリウッド版を観てはっきりとわかった。

そしてハマる韓国映画の闇

OLDBOYをきっかけに、おれは韓国映画の重く暗く、そして激しい沼にどっぷりとハマっていった。

どれもこれも熱量がえぐくて、描写がえぐくて、生臭さがえぐくて、要するに最高かつ最強の傑作揃いだった。
韓流ドラマやK-POPを生み出した国と同じ国とは思えない

ブラボー、韓国映画
でもファ●ク、韓流ドラマ&K-POP

新大久保の人気のない駐車場でオルチャンメイクのギャルに囲まれて、唾を吐かれて股間をぐりぐりされる日まで、おれは叫び続けてやるからな。

では最後に、とりあえずこれらを観てピンとこなけりゃ、もう韓国映画は合わないと判断して良いというくらい、韓国映画らしい韓国映画をオススメしておきます。

 

シバラマ

シバラマ

【息もできない】
鑑賞すると、間違いなく「シバラマ」という単語を覚えることができる傑作映画。
シバラマの意味は「このド腐れチ●ポ野郎が!」みたいな感じ。

 

母なる証明

母なる証明

母なる証明
おれの経験上、人に勧めて一番良い反応が返ってくる作品。母の狂気的愛情は胸焼けするくらいどぎついぜ。

 

韓国映画パラサイト

パラサイト

【パラサイト 半地下の家族】
2020年、第72回カンヌ国際映画祭の最高賞・パルムドールを韓国に初めてもたらした今いちばん熱い傑作。

 

後味最悪なのにまた食べたくなり、いつしか韓国映画でなけりゃ満足できなくなるコリアンの沼で溺れましょう。

ではではおやすみなさい。

カニエ・ウェストの歌詞を訳した誰かがおれを狂わせたのさ

カニエ・ウェストのアルバム

天才カニエ・ウェストの変態性に乾杯

隙がないほど品のない曲を作りたい欲求

先日おれは、IWGPigという曲を作った。
曲名はクドカン脚本の名ドラマ・池袋ウエストゲートパークにかけている。
池袋西口の豚、という意味だ。

独身生活を送るサラリーマンが本気で曲を作るとこうなるのか。と自分でも驚いたくらい、なんていうか聴いたことのないラジカルな1曲だ。
偏執的といっていいほど、どこを切り取っても品が無いように隙間を埋めていった、隙のない品のなさが特徴的な曲で、リリックを書き終えた時は難解なパズルを完成させたような爽快感がみなぎった。

闇のパズルを自らつくり、自ら解いてダークサイドに堕ちていく。
キッズには真似してほしくない、大人の遊戯王の遊びだ。
デモバージョンを動画サイトに歌詞といっしょに上げてみたら、瞬時に非公開の制裁をくらった。

 

youtu.be

カニエ・ウェストの歌詞カードの和訳を書いた奴がおれを狂わせたのさ

ただ何をきっかけに、このような誰も幸せにならない歌が、おれから湧きあがってきたのか?

それはカニエのせいだ。むろん敬三ではなくウェストのほうだ。
アメリカ大統領選でトランプ以上におれ界隈では話題になっているお騒がせスターだ。カニエ・ウェストが変人なのは世界共通認識だが、それ以上に音楽的な才能が突出している紛れもない天才である。

で、この前に掃除をしていたら昔買ったカニエ・ウェストの傑作アルバムMy Beautiful Dark Twisted Fantasyの歌詞カードが出てきたのだ。

最近はもっぱらストリーミングかダウンロード、時たまCDを買ったとしても輸入盤だから、この日本語で訳された歌詞カードというのが、懐かしくもひどく新鮮でおれは思わず掃除をやめて熟読してみた。

「ひでえ」まず思ったことはそれだった。
そういえばそうだ思い出した。
洋楽の歌詞を日本語訳にしたものは、大体の場合で悲惨なことになるんだった、
日本語と英語の間には、無傷で往来できる道などないのだ。

とにかく洋楽を和訳すると、これは大概しくじる
割とシンプルなポップスの歌詞であろうが起こりうる現象なので、押韻ありきリズムありき売れ線でもスラング満載で過激な内容が主たるヒップホップで悲惨にならないわけがない。

たとえばこのアルバムの中のヒット曲『POWER』から数節あげてみよう。

『いいか どんな男も力を独占しちゃいけねえ チクタクチクタク時間が迫っている』
『俺のパワーで君の人生 ドキドキさせてやるぜ(最高にな)』

これ一体、どんな顔の大人がどんな顔をしながら翻訳したんだろう。
まずおれが思ったことがそれだ。
冗談が過ぎてるよ(最高にな) カニエが読んだら銃を向けてくるぞ(絶対にな)

そう、なんていうか微妙なニュアンスで伝えづらいんだけど、訳者のがんばってる感がそのがんばり度に比例してマイナスを生むのが和訳歌詞カードなのだ。

おれとしてはチクタクとかドキドキとかの小学生っぽい言葉を、大人が普通に使ってくるのがまずいけてないし全然ストリートじゃねえし通学路かよと思って萎えるし、
さらには「しちゃいけねえ」みたいに訳者がカニエを憑依させて、てかさせたせいで出てきてしまったであろう、このべらんめえ口調のキャラもきっついわと思ってしまう。
どこの江戸っ子だよ


上にあげた歌詞はそういった理由でまあ最悪だし、これ以外にも胸焼けがするほど江戸風カニエ節がでてくる。なんか江戸風カニエ節ってうまそうだな。
で、本題はここからだ。

たしかにカニエのリリックの間違った解釈はおれを萎えさせる。
ただアルバム内の訳詞の全部が全部ダメというわけでもなく、不覚にもおれのテンションをアゲる訳が時たま顔をだしてきやがるのだ。

では再び「POWER」から。

『女のア●コなんて要らねえぜ ビ●チ 俺の肉 棒で充分だ』
『もっとハッキリ言えば「おれの糞穴にチューしてろ」おれが糞男だって? 冗談が過ぎてるぜ』

これはしびれた。"女のアソコ"みたいにオーソドックスな濁し方をしたかと思えば、その直後に"肉 棒"みたいな160キロ直球を投げ込んでくるこの緩急のつけ方。

お嬢さんをエスコートしながら、下は全裸みたいな、気を遣ってんだか何をしたいんだかのどっちつかずなアンバランス感がダメな変態ぽくて良い。おれの例えも崩れだしてる。

あとこれは強く思ったがカニエの風体に"肉 棒"というワードが妙に合ってていい。
曲名の「POWER」に新たな力がギンギンにみなぎる気がする。
はっ、そういえばカニエ・ウェストはふんどしも似合う気がする。

あれ、だとすると訳者が憑依させた江戸っ子のカニエ像は、あながち的はずれではないかもしれないのではないか…。

いや、はずれだよ。あぶねえあぶねえ。

まあいい。次は満を持しての必殺ワードの登場だ。
お待たせしました。「糞穴」の登場だ。

もうほんとね、これはすごい。
だって「糞穴」って単語、人生で初めて見たよ。
狂った翻訳ソフトが提示してきたような正気の人間では思いつかないような、ド直球のストレートだ。
「肛門」よりもさらにストレートなのが、「糞穴」のすごさを物語っている。


とにかく、人生でこんな日がくるとは思わなかったが、おれは「糞穴」という言葉にひどく感動した。

そして改めて全曲の歌詞を眺めてみて、HipHopってやっぱこの下品さ下劣さがカルチャーとして根付いている分野だな、と再確認をした。
もちろん良い意味でだ。


My Beautiful Dark Twisted Fantasy
って超売れたし、2010年代を代表する一枚の定番でもあるけど、Mステで歌える歌詞じゃない曲ばっかりだもんな。


当時、もしカニエが来日してMステに出演してたら「POWER」のテロップはどう処理していたのだろう。
まさかの「糞穴」のお茶の間デビューがあったのだろうか。

とにかくこの「糞穴」の衝撃でおれの目は覚めた。

どうやらおれはシャレオツな休日DJに憧れるあまり、おとなしくなりすぎていたようだ。
おれはなんでもありなパンクさを気に入ってHipHopを好きになったんじゃないか。


よし、おれも作ろう。豚野郎による、豚野郎どもに捧げる歌を作ろう。

そして目覚めたおれが作ったのが、最初にリンクを貼った「IWGPig」ってわけなのです。
アルバムの中で一番気に入ってるんだけど全然評価されない不遇なやつです。

ではでは。

www.tunecore.co.jp

イモ嫌いが選ぶから信用できる、小江戸川越の最強イモスイーツがこれだ


今週のお題「いも」

うまい うますぎる

この顔をみてピンときた方は埼玉県民

 

いやー、以前にも書いたが、生粋の秋冬フリークなだけに、最近の涼しさはテンションが爆あがりする。

正直、暑いとブログどころじゃないし、創作意欲やら執筆意欲やらを体内で生存欲に回して、ぎりぎり日々を乗り切ってるくらいだから、ブログの更新頻度が最近好調なのも納得である。

ーーということを無表情の下に考えながら今日も生きた。

イモの前に餃子の話

まずはもう定番となった脱線からのスタート。

今日は珍しく仕事で出張があり、宇都宮まで行ってきた。

クライアントからの直で会いたいという要望を、今までのらりくらりと巧みにかわしてきたのだが、とうとう直に足を運ばないといけない事態になったので、しぶしぶ行ってきたのだ。
もちろん「しなきゃいけない事態」が良い意味を持つことなんてない。


のらりくらりだけは天才的なスキルを持つ私が、県をまたいで相手のもとに出向くなんてあって年に3回とかだ。

ただ行くと決まったらしょうがない。おれは覚悟を決めた。
覚悟を決めると、妙に柔軟な環境適応能力をみせだすのが私だ。

栃木県宇都宮市に降り立つなんて人生で初めてでおまけに新幹線も使えるので、どう考えても浮かれて良いような状況ではないにも関わらず、どこか小旅行気分でテンションが上がってきた。とりあえず駅弁は必ず買おう。

で、昨夜から資料作成もそこそこに宇都宮の名物やグルメを調べまくっていたのだが、ここにすごいトラップがあった。
宇都宮は餃子の街だったのだ。

クライアントとの商談は15時から。
ランチはどうしたって宇都宮になる
で、宇都宮は餃子の街で、餃子にはニンニクが入っており、ニンニクはにおいが強いという特徴を持つ。


先にもいったように、今回は良い理由で宇都宮にいったわけでない。
ニンニク臭を漂わせながらの登場が、笑い話に変えられるような状況下ではないのだ。
しかし、昨今のコロナ事情により、商談でのマスク着用は必須とされている。
マスクがあるならバレずにいけるか……。


おれは迷った。
しかし驚くべきことに、気づくとおれは、餃子屋の店内のテーブル席で悩んでいたのだ。

体は正直だった。
脳とは無関係に、おれの体を餃子屋に滑りこませたのだ。


そしてこの期におよんでも悩んでいるおれに決断を迫るように、いい笑顔のおばちゃんが焼き立ての餃子を運んできた。
どうやらおれの体は、無意識のうちに餃子定食の注文まで済ませていたようだ。
おれは覚悟を決めて、箸をとった。

「その黒胡椒をたっぷりお皿にとって、お酢ちょっと湿らせて食べてみて。餃子のタレより美味しいから」
と、おばちゃんに地元民のたどり着いた境地的餃子の食べ方を指南してもらい、それがあまりに美味かったので、おれはおかわりまでした。

ごちそうさまでした。

 

宇都宮駅西口の典満餃子

宇都宮駅西口すぐにある典満餃子。おばちゃんに星5つを捧げます。

 

イモの聖地・小江戸川越

で、今日のテーマが「いも」なのだが、おれはかつて、さつまいもの街・埼玉県川越市にて長きにわたり生活していた。

川越は気軽にいける観光地として小江戸とうたい、蔵造りの建物から恋愛の神社まで、街ぐるみで様々なものをプッシュしているのだが、中でも「サツマイモ」は何十年にもわたりPRしてきている定番の川越名物だ。

いろいろな店がサツマイモを使い、多種多様なメニューを考案して切磋琢磨している。
が、致命的なことに、おれはサツマイモが好きじゃないのだ。

なので、正直イモスイーツという言葉を聞いても全然ピンとこないし、個人的な年間消費率も1グラムあるかないかだ。
たぶん雨水の方が多く口に入っている。

が、そんなイモ嫌いのおれが目を輝かせるイモスイーツがひとつだけあるのだ。
イモ嫌いだからこそ、本当の傑作がわかるってもんだ。

ここからはイモヘイターならではの偏見が入り混じるので話半分で聞いてください。

 

面倒くさいイモヘイターがなんか言ってますよ。

まずおれは創作スイーツの中でも、既存のスイーツに混ぜてみました系はNGだ。

たとえばサツマイモだと、ソフトクリームに混ぜてサツマイモソフトだとか、サツマイモシュークリームだとかのそれ系の類いだ。

こいつらはまあたしかにうまいのだが、それはメインであるソフトクリームがうまいのであって、イモの要素を抜けるなら抜いてもらったほうがありがたいとイモヘイターは考えてしまう。

川越でも名店の菓匠右門というところが出していて、小江戸の街歩きデートをするカップルたちが手にする光景はもうおなじみだ。
これもおれのマイナス点に大きく影響している


次にあれなのが、小江戸おさつ庵という有名店が出しているおさつチップといった類の要するに素材をそのまま活かしました系だ。

イモヘイターからすると、そもそも素材が好きじゃないんだから、それを活かされても困りますわというのが本音だ。

ちなみにおさつチップはカップから花びらのようにサツマイモが飛び出していて、そのインパクトある絵がSNS映えすると評判である。

ソフトクリーム同様に、小江戸の街歩きデートを楽しむカップルたちが手にする光景はもうおなじみだ。
ソフトクリーム同様に、おれのマイナス点に大きく影響している

 

イモ嫌いにこそ食べさせたい最強のスイーツ・べにあかくん


で、イモヘイターが選ぶ、唯一これだけは食ってくれという商品が、
創業明治20年の老舗名店・くらづくり本舗の「べにあかくん」だ。


これが川越べにあかくん

このあおり文句を凌駕するくらいうまい。キング オブ イモスイーツ


最初に食べた時の衝撃はすごかった。
腹減ったしカラムーチョとかないかなと台所探してもなにもなくて、テーブルの上にこいつだけがぽつんと乗っていたのだ。

これ以上ないほど「しゃーない」を具現化した顔で頬張った私の瞳孔が、瞬時に見開かれた。

うまい、うますぎる!!

そう感動で声をあげるくらい美味かった。
おれの知ってるイモじゃない。
ちなみに上のセリフでニヤリとした方や「違う菓子やん」って思った方は、まず間違いなく埼玉県民ですね。

とにかく、べにあかくんはマジで凄まじく美味い
イモとしての限界値超え、イモのピリオドの先へといっている。


まずそもそもでスイートポテトいうスイーツ自体が、おれは発明だと思っている。
クリーミーな生クリームの風味と、サツマイモのこってりした甘さと風味との意外なるマリアージュは、いったいだれが発見したんだと褒め称えたいくらい、イモ嫌いが思うイモの苦手たるゆえんの要素を、すべてプラスへと転化している。

それを老舗中の老舗が工夫をこらして目玉商品にするまで洗練させてるのだから、美味くないわけがない。


食の逸品コンクール
料理王国100選など、実態は知らないがなんか栄誉がありそうなコンクールを受賞しまくっているのも納得だ。

もしお近くに、私同様のイモヘイターがいましたら、有無を言わさず口に詰め込んでみてください。
それくらいの威力がある大傑作な商品です。


では、おやすみなさい。

衝撃作!サターンリターンを読んでみたーん

サターンリターン

サターンリターン

 わたしのおすすめマンガ

小説・映画・マンガは、おれのありきたりな日常をうるおす娯楽三大柱だ。
大体2ヶ月おきのルーティーンで、おれはどれかに集中的にハマっている。

ちょうど9月10月は、おれのマンガ月間だった。
先の通り周期は2ヶ月づつなので、来月はたぶんマンガに見向きもせずに小説を読んでいる。

で、ちょうどはてなブログが「はてなブログ タグリリースキャンペーン」として、「わたしのおすすめマンガ2020」というタグを用意していたので、人生で初めてマンガ評を書こうと思ったわけだ。

2020とつくからには最近、というか現在進行形で連載されているマンガをやはり選ぶべきであろう。
現在連載中で私が推しているマンガは3つある。

まずひとつは「喧嘩稼業」
その次が「マイホームヒーロー」
で、残るひとつが今から紹介しようと考えている「サターンリターン」だ。

ちなみにまだ書く前なので恐らくではあるが、ネタバレはほとんどしないと思う。
というより、ネタバレが成立するほど丁寧に書く気力が、平日のおれにはない。

記憶の薄くなったとこを読み返したり、場合によっては印象的なコマを持ってきたりと、ネタバレさせるのもそこそこの気合と労力が必要なのだ。

サターンリターンのあらすじ

書けない小説家・加治理津子。
学生時代の男友達・アオイが夢に現れ理津子に問いかけた。
「それほんとうにお前の人生?」
電話の着信で目が覚めた理津子は、アオイが自殺したことを知らされる。
かつて最も心を許した友人を死をきっかけに、理津子の生活が揺らぎ始める。
見せかけの夫婦関係、書けない小説、取り返しのつかない喪失体験。
ほころびは一気に破綻する。
あなたは喪失に耐えられますか?

各所で話題の暗くて重い大人のミステリー。
『先生の白い嘘』鳥飼茜の衝撃最新作。

と、まんが王国に書いてあった。

ちなみに作者の鳥飼茜は、浅野いにおの嫁である。
なんていうか腹の探りあいの深さがえぐそうな家庭だな、と思う。


このマンガ、なにがむずいって、あらすじを伝えるだけじゃ、まったく魅力が伝わらないということだ。

最初に1巻を読んだとき、おれはめちゃくちゃに衝撃を受け、この面白さを広めようと会う人会う人に勧めまくったが、その際の空回りし続けるプレゼンの中で痛感した。
これ、読まなきゃわかんねえや、と。


https://alu-web-herokuapp-com.global.ssl.fastly.net/cropped_images/QIfNYoAzgzRnzL35gzj6Yl2yiRt2/c_1586072219044?auto=webp&format=jpg&width=1360

 

サターンリターンは、魅力を伝えるのが難しい

これはサターンリターンに限ったことでないが、小説でいう純文学的な性質を持った作品は、魅力を人に伝えるのがマジで難しい。

なにが難しいって、この属性の連中は、ストーリー自体は平凡なことがほとんどだからだ。

「話がどう進むか」より、「誰が何を考えて何をしたか」に重きをおかれている。
要するに「ストーリーを描く」ことより、「人間を描く」ほうに重きを置かれている。
つまりはそういうことだ。

この自分で書いていてわかりづらい説明が、残念ながらおれがわかりやく説明できる限界だ。
そして、飲みの席でおれがこういう話を始めると、大体みんなスマホを手に取り出す。

て具合で、読者の方におれが言ってることが理解してもらえたか怪しいので、もうちょっと具体的に説明するか。

例えばおれはつい今しがた、なんの気なしに股間をかいた
頭の中に浮かんでいる想いは「明日仕事いきたくねえ」だ。

ただこれが例えば、「育ての親は、血がつながった実の親でなかったせいか、いつも僕に不自然なくらい優しかった。だけど一度だけ本気で怒られたことがある。それはあの年の10月、雨音のする窓の外の景色を見ながら、なんの気なしに股間をかいていた時だ」と複雑な過去のトラウマを思い出しながら、大人になった今股間をかいているのでは、同じ股間をかいているメガネでも深みというか、股間の味わいが違う。

そういうことだ。

股間の味わいってなんだね。

鳥飼茜は凄すぎる

しっかし、この人(作者)はすごいよ。
なんで人間の心をここまで深く繊細に描写できるんだろうと、本当にため息がでるレベルだ。

小説にしろマンガにしろ、男性作家より女性作家のほうが内面描写の巧さや凄みをもった人が多い気がする。
そして内面描写がうまい作家は、もれなく性描写も秀逸である。

とにかく鳥飼茜の性描写は、なまなましくえぐい
H1回でこれだけのことを考えてるんかい、というくらい、おれの"やっほーい"な感じの、単純スケベが恥ずかしくなるくらい深みのあるエロさを提供してくる。

浮気とか不倫とかであけすけになる男女間の価値観の違いとかも、突き詰めればこの思考の違いによるものかもしれない。
正直、おれの"やっほーい"な心のうちを知ったら、妻だって真剣に怒るのがバカらしくなると思いますよ。
まあ浮気も不倫もしたことないし、よく考えたら妻もいないんで、さらっと読み流してください。

ちなみにさっきも触れたが、鳥飼茜浅野いにおの妻らしい。
浅野いにおといえば、「現代の若者の抱える浅いようで深い心の傷の描写が秀逸」というポジションをおれの中で確立している作家だ。

この二人が夫婦。
単純にすごいな、と思うし、怖いなとも思う。
すっごい笑顔で和気あいあいと夕食を囲った後、自室ではふたりともすごい冷めた目で面倒くさい悩みを抱えてそうで怖い。

なんていうかな、現代の心の闇の日本代表が男女混合で合宿している感じだ。
これはうまく例えられた気がする。
そうでもない気もする。

「サターンリターン ネタバレ」は愚の骨頂

とにかく最後に言っておきたいのは「サターンリターン」は読まないと面白さがわからないよ、とにかく読めよ。ということだ。

「サターンリターン ネタバレ」で検索かけて読んだ気になるのは愚の骨頂というか、その行為がほぼ無意味なマンガのひとつだ。
ぜひとも一度読んで、衝撃を受けて、それを友達に伝えようとして、全然伝わらなくてじたばたするという、おれと同じ思いを味わってほしい。

あとついでにもうひとつ言っておきたいのは、鬱系の作品や背徳感のある作品を楽しめるのは、正常に大人になっている証のひとつとして捉えていいということだ。

あと最後の最後にもうひとつ言っておきたいのは、匂いや雰囲気、感覚で捉えるべき優れた作品を見て「なにを言いたかったかわからない」と言う奴は、大体きまってつまらない奴が多いぞってことだ。


今日は以上だ。おやすみなさい。

https://alu-web-herokuapp-com.global.ssl.fastly.net/cropped_images/QIfNYoAzgzRnzL35gzj6Yl2yiRt2/c_1585230523538?auto=webp&format=jpg&width=1360