今週のお題「下書き供養」
今週のテーマが下書き供養ということで、かつて謎のテンションで書かれ、下書きに眠るべくして眠っていた長大な般若心経論を出そうと思う。
最後まで読めた方に仏の慈悲がありますように。
- 現世の苦しみから解放されるお経・般若心経のお話
- 究極のお経・般若心経こと『般若波羅蜜多心経』とは?
- 般若心経を和訳で教えて?
- こいつはわかりやすい。般若心経のかっこいい現代語訳
- 般若心経が難しいのは、知るものではなく"わかる"ものだから
- 最後にギャーテーいっときますか
現世の苦しみから解放されるお経・般若心経のお話
今日は現世の苦しみから解放される究極の経典といわれる『般若心経(はんにゃしんぎょう)』のお話をします。
結構前になる。
ある寺に住みこみで寺男(てらおとこ)をやっていた時期があった。
寺で働く男だから寺男。
さすがお寺、無駄と遊び心がゼロのネーミングセンスだ。
ただ、さすがに味気ないので、ためしに英語に訳してみる。
"Temple man"
突然かっこいい。Theとかつけたくなる。
"The Temple man"
なんかすごくバンドっぽくなった。
The Temple manとは、お寺界のADみたいなものだ。
掃除をしたり、卒塔婆を並べたり、座布団を敷いたりと、なかなかに忙しい職業だ。
ちなみに、どういういきさつでおれが寺男になったのかについては、ここで語るつもりはない。
人には、謎のままにしていたほうがいいこともある。
ちなみに寺男の1日ってこんな感じ
お寺にいたというと「修行してたの?」「坊主頭だったの?」と必ず聞かれるが、どちらも答えはNOだ。
一秒も修行してない。寺男はそれが許される。
寺男の朝は不健康なくらい早い。
4時起床だ。本堂の真下の部屋に住みながら、常に煩悩と雑念の虜のおれは、毎日寝不足だった。
で、寝ぐせ・半睡のまま、境内の掃除開始。
広大な敷地内には本堂だけでなく、3軒の住み家や集会所が建ちならび、さらにはカリスマ茶人・千利休の利休庵を模したような茶室までいくつか設けられていた。
それゆえにこの寺での掃除は、茶の湯的な美的感覚を求められる。
禅で有名な"わびさび"の概念はここで学んだ。
落ち葉をきれいに掃ききるのではなく、適度にちらすのがポイントだ。
で、その掃除後にマストで唱えさせられていたのが、はいきました、『般若心経』だった。
究極のお経・般若心経こと『般若波羅蜜多心経』とは?
般若心経とは、約300文字の中で大乗仏教の心髄が説かれているとされる、数ある経典の中でも一番メジャーなアンセム的お経だ。
正式な名前は『般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみつたしんぎょう)』という。
ちなみに"はんにゃしんぎょう"と女の子が言うと、とても可愛いのでおススメだ。
「にゃ」がポイントだ。
まあ、おれが言ったところで特に可愛くはならなかった。
おれはクタクタのネルシャツがよく似合う丸メガネだ。
最初は覚える気もなく、覚えられる気もしなかったが、人間の学習能力はすごいもので、毎日唱えているうちに、何も考えなくても勝手に口が動くようになった。
お経独特のグルーヴ感は、唱えてみると意外とおもしろい。
木魚の4つ打ちビートでなにげにノれる。
特にラストの、
「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」の部分がサビっぽくて超かっこよかったので、必要以上に熱をこめて唱えた。
坊さんが複数人で唱える時も、この個所は大合唱になる。
で、唱えられるようになると、今度は意味を知りたくなる。
で、住職に般若心経の意味を聞いてみたのだが「知らねえよ」と言われたので、自分で調べてみた。
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