特別お題「わたしの推し」
- 2022年、私の固定観念がひとつ崩されつつある。
- すべてはノルウェイの森から始まった。
- はじめての大江健三郎
- 性的人間ってこんな話
- 青年の訴える痴漢道。おれが狂ったのはやつのせいさ。
- 性的人間を読了して思ったこと
2022年、私の固定観念がひとつ崩されつつある。
2022年始まって早々に、とんでもない意識の変化が起きてしまった。
これがまたとんでもなくアクロバットな変化だ、もう革命だ。
その変革された意識がどんなものかというと、
「痴漢、超かっこいい!」
これだ。
かのポール・二ザンの有名な一節を体現するように全然美しくない、どころかやたらと反社感あふれる一枚の写真。
左に写るのが若き日の私。そして右に写るのが友人のガロム・ギャラガーだ。
写真からもビンビン伝わるように、おれたちは愚かだった。愚かさ特有のオーラが炸裂している。
この写真をあげるにあたり、イリーガルなものが写っていないか細かく確認したくらい、おれは当時の自分をまったく信用していない。
とにかく、おれたちは社会で真っ当に働いて生きていける人間ではなかった。
いやおれはともかく、ガロムは社会に出られる人間ではない。おれはそう思っていた。
そしてなにがきっかけというわけでもないが、おれとガロムはいつしか疎遠になっていた。
ここ何年も音信不通が続いていた。
おれはガロムの社会不適合性をよく知っていたので、
「ああ、彼はこの生きづらい現世から旅立って次のステージに向かったんだな」と実はかなり本気で思っていた。
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DTM(パソコンで音楽を作ること)を初めて、早2年くらいか。
MIDIってなんですか? WAVとは? みたいなところから始まって、今はそれなりの知識でそれなりのミックス(編曲)をして、なんとか一曲を作れるようにはなってきた。
余談だが話題の歌姫と曲も出せた。
独学でもなんとかできるようになったのは、先人DTMerたちが惜しげもなくネットに公開している様々なTips、金言のおかげだ。
「コンプ とEQは音を決める最重要ポイントなり」
何度も見たこの言葉も当初は「またかよ。なに言ってんだこのメガネ。メガネか知らんけど」って無駄にとがってうがって読んでた感じだったが、今はその意味がしかとわかる。
たしかに最重要だ。
まあそんな感じでGoogleの検索バーの入力方法さえ知っていれば独学でなんとかなる時代なのだが、無知ゆえに先人の情報を盲目的に信じて騙されることも多々ある。
で、おれがこの2年で「これはやられた」と思った情報が、いまだにモニターヘッドホンとして王者の座に君臨し続ける【SONY MDR-CD900ST】の件だ。
通称・赤帯と呼ばれるソニーの開発したモニター用ヘッドホン。
有名アーティスト達がしょっちゅうレコーディングシーンで着けており、誰もが一度は目にしたことのある赤のラインが特徴的な超定番のヘッドホンである。原音のイメージに色をつけず再現するピュアな音質。
はっきりくっきり研ぎ澄まされた輪郭と音像。
また定位、エコーの拡がり感の微妙なニュアンスまで再現する高い再生能力で、スタジオエンジニアを始めプロからの信頼も厚い名器である。耐久性にも優れ、消耗品の交換パーツも潤沢で、長期にわたる使用が可能となっている。
この「裸の音を聞かせる」と言われるちょっぴりエッチな高性能モニターヘッドホンの王者の座は、令和に入った今なお健在なのではあるが、困ったことにこいつの使い方が誤った形で広まっている。
かなり熟練のDTMerたちでさえ、間違った利用法をしている。
その間違った使い方とは、MDR-CD900STをミックス作業の際に使うということだ。
続きを読む今週のお題「秋の歌」
基本的にガチャガチャうるさくて妙に攻めた曲ばかり作るおれだが、たまにはセンチメンタルな気分に浸る夜もある。秋っていうのはそういう季節だ。
遊びでも酒でもFANZAでも満たされない夜というのはあるのだ。
そしてそういう無性に切ない夜には、いつもと違う雰囲気の曲が生まれるものである。
で、今年もそんなセンチな気分の夜があり、その結果メガネ野郎が作ったとは思えないセンチで素敵な曲ができてしまった。
ただ悲しいのは、曲ができてもそれを自分で歌いこなせないということだ。
おれの歌唱スキルは「ちょっぴり卑猥なラップをわめく」の一点特化型であり、"切なさ"の領域に立ち入り厳禁なのは重々承知している。
で、パソコン内で曲が形になるにしたがい、こりゃだめだ私の歌声では手に負えないと判断したおれは、またしても詩歩嬢にヘルプを求めた。
詩歩嬢はおれが知る中で最高に魅力的な、天性の歌声を持つボーカリストである。
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