この丸メガネはミュージシャンなの?

音楽ブログを早々に諦め、ゆるめのサブカルブログへ男は舵をきった

ついに連載再開。頼むからザ・ファブルは4巻まで読んでくれ

今週のお題「一気読みした漫画」

 

ザ・ファブルと岡田くん

2度目の映画化もされ実にタイムリーな話題作

ザ・ファブルの魅力について書きます

岡田くん主演の実写映画の第二弾が封切られ、さらに連載再開のニュースもあり、今一番タイムリーな話題の漫画『ザ・ファブル』について語ろう。

ちなみにおれは原作主義だが、とはいえ映画の出来をどうこう言うことはない。
岡田くんが好きだからだ。

ザ・ファブルはけっこう厄介で、一見おもしろさを伝えやすそうに見えて、実はめっちゃ難しい系のやつだ。
喫煙所で人にファブルを勧めようとしたものの、全然うまく伝えられず、むおーむおーと、もどかしさの声をあげた人も多いだろう。

おれももちろん、もどかしさで身をよじった経験がある。
なので、今回もうまく魅力を説明できる自信はまったくない。
が、うまく説明できなくても失うものはないので、果敢に説明しようと思う。

ちなみに例によって、ネタバレはほぼしないと思います。ネタバレに費やすほどのやる気がないのと、そもそもネタバレさせる意味があまりないマンガだからだ。

ザ・ファブルのあらすじ

あ裏社会で寓話同様に都市伝説化している天才的な暗殺者・ファブル。
ボスから、殺し屋を休業し大阪で一般人として1年間だけ普通の生活を送るという指令を与えられ、同じ組織に属するパートナーの洋子と共に「普通の生活」を始めることとなる。
佐藤明という偽名を使い、洋子と兄妹として大阪に住みはじめ、平和な日常を楽しむふたりだが、いつしか次々とトラブルが舞い込んでくるようになり……

とまあ、こんな感じのストーリーだ。

ほら、まずここから食いつきが悪い。上のあらすじを見て、そこそこ色々なマンガや映画を経験してきた大人はこう思うはずだ。
ありがちだねと。

 

いや、わかってるわかってる。おれだってそう思う。
このあらすじを読んで、よしファブル読もうとはならない。

「ただこれね、読んでみたら絶対おもしろいから! とにかく騙されたと思って一回読んでみてくれ!」
そうおれが喫煙所で叫ぶと、同僚はアイコス片手にこう言う。

「家帰ってまだ覚えてたらそのファブル? まあ読んでみるよ」と。


次の日の喫煙所。同僚は意外と律儀な奴で、家に着いてからちゃんと覚えていて一応読んでくれたらしい。

で、アイコスを吸いながらこう言いやがるわけだ。

kindleで3巻まで無料だったから読んでみた。まあキャラが独特なのはわかったけど、ゆるい日常系ギャグ漫画だよな。ああ、4巻からは有料だったし読んでない」と。

もうね、これが一番ダントツで最悪なパターンです。
体がわなわなします。くぬぬーってなります。

なぜかって、3巻まではたしかにその通りだからだ。
ゆるい日常系マンガ。ああ、その通りだ。ぜんぜん間違っていない。3巻まではその通りだ。

ファブルは4巻から突然おもしろくなる件について

ただ、4巻以降の世界を知っている人間からすると、この3巻でやめる行為はとんでもなくもったいないしもどかしいほど口惜しい

インバウンド観光客がスシローに入って、かっぱ巻きと玉子だけ食って店を出ていく姿を見るのと同じくらいもどかしい。
「頼む!それをスシのすべてと思わないでくれ!マグロ食ってくれ!」となぜか熱くなってしまうもどかしさだ。


そう、ファブルはその面白さの真骨頂を、4巻から発揮しだす。

4巻になると、3巻までのんびり描かれていたゆるい日常に不穏な空気が漂いはじめ、ヤーさん絡みのトラブルが具現化していき、徐々に緊張感を増していく。
で、極限のシリアス感の中、最強の殺し屋・ファブルが冷たく静かに暴れだすのだ。

で、またこの緊張感が出てくるがゆえに、今度はゆるい日常が緩和のスパイスとしてうまく機能をしだして、実にたまらないザ・ファブルでしか味わえない空気を作り出していく。
4巻までいくともう読む手は止まれない。

kindleebook japanで「ザ・ファブル(3巻まで無料)」ってチラ見するたび思っていたが、これ思いきって4巻まで無料にしたら、売り上げが爆増しますよ。きっと。


とにかくおれが言いたいのはこれだけだ。
3巻まで読んだだけで、ザ・ファブル読んだ気になるなってことだ。
あともし明日からザ・ファブルが突然4巻まで無料となっていたら、「講談社さん、誰のアイデアわかってますよね?」ってことだ。

ザ・ファブルのおもしろさの秘訣はキャラにあり

このマンガの主人公・ファブルこと佐藤明。

主役なので当然といえば当然だが、まずこの佐藤がとにかく魅力的だ。
変人しか出てこない世界で、一番控えめながら一番ブレずに変人であり続ける。
既存のマンガでもオンリーワンな主人公像だ。

基本無表情で、常にローテンションで情緒が乱れず、もちろん恋心や愛も知らず、しかしジャッカル富岡(作中にでてくるピン芸人)だけには爆笑し、なにより殺し屋としてのプロ意識だけは尋常じゃなく強い。
そしてサヴァン症候群(異常な天才)的な暗殺のスキルをを持ち、その強さは作中通して終始、圧倒的に無敵であり続ける。

そのバトルシーンでのチート感しかり、プロ意識の高い強靭なメンタルしかり、これがもうね、おれみたいな文化系メガネが惚れこむかっこよさなんだな。


で、このファブルこと佐藤をはじめとして、他にも語りたいキャラは尽きない。
仕事上のパートナーであるミス・アルコール、ドランク・クイーンの異名を持つ佐藤洋子、
ファブルに愛情を教えたヒロイン・ミサキちゃん、
ボスキャラにして最凶の脚本家・山岡、
登場ごとに好感度を爆上げしていく若頭・海老原、
登場ごとに好感度を爆上げしていくオクトパスの社長・田高田社長、
Barバッファローモハメド・アリことペ・ダイヨチャなど、とにかく魅力的なキャラクターが勢揃いなのだ。

最初に、ネタバレがあまり意味ないマンガといったのは、このキャラクターの強さによるところが大きい。ネタバレ記事だとストーリーの魅力はわかっても、キャラの魅力がわからない。

映画化、連載再開とちょうどいいタイミングなんで、未読の方はぜひ手にとって読んでみてください。
その際は必ず4巻までマストでお願いします。

では今日はおやすみなさい。