今週のお題「最近見た映画」
韓流ドラマはヘド出る。おれが好きなのは "韓国映画" だ。
おれは韓流ドラマが嫌いだ。ヘドがでる。かぼちゃと黒豆と韓流ドラマは女子の食べ物だ。
だが、おれは韓国映画が大好きだ。狂おしいほど好きだ。
脳内映画ランキングをつけたら、TOP10のうち半分は韓国が持っていくなというくらい、おれの中でダントツで強い。
聞くところによると、映画好きの中では「韓国映画のレベルはマジでやばい」というのはもう定説らしい。
が、ごく一般的な人(ここ半年で映画館で観たのは鬼滅の刃くらい)には、韓国映画の凄さはまだまだ知られていない。
おれも以前は、「韓国映画」というワードになんの魅力も感じていなかった。
最初に、友人のATSUSHIから韓国映画が超おもしろいと勧められたときも、おれの食指はピクリとも動かなかった。
いや、ピクリとも動かないどころか、韓国というだけで普通にマイナスにいっていた。
例えば、ロシアやケニアの映画が超おもしろいと言われたら、あまりにも未知すぎてそれはゼロ地点からの評価になるが、いかんせん韓国のカルチャーはすでに色々な形で日本へ流入してきている。
で、そのうちの代表的なカルチャーのひとつが「韓流ドラマ」であり、これがおれの中で、韓国の映像作品全般へのネガティブな先入観を生み出していたのだ。
韓流ドラマの色メガネ
この韓流ドラマ色メガネが、いまだに根強く一般ピーポーの脳に根付いている。
私の頭の中の消しゴムで消してやりたいほど根付いている。
だから、会社の同僚とかと映画の話になり、「韓国映画が好きっすー」というと、大体相手に驚かれる。
「えー意外ですね!」と。
もうこれね、歯痒くてしょうがない。
驚いている相手の頭の中に浮かんでいるのが、韓流ドラマに違いないからだ。
ガチな韓国映画を観たことがある人間なら、おれが韓国映画を好きといって、意外に感じることなんてありえないのだ。
「えー意外ですね!」ときてくれるならまだいい。
最悪なのは、
「韓国のってなんかちょっと前の日本のドラマに似てる感じでいいですよね! 私の友達もすごくハマってました」みたいに、おれに気を遣ってか、"韓流ドラマ好きのおれ"を肯定してくる奴だ。いや良い子なんだろうけど。
だが、おれの心の中は説明できない屈辱感で荒れ狂う。
思わず『ファ・ニャン・ニョン!』とつぶやいてしまったことさえある。
ちなみにファニャンニョンの意味は、「このメ●豚くされオ●コが」みたいな感じだ。
おれと韓国カルチャーは相性が悪い
基本的に、韓国から流入してきているカルチャーは、ほぼおれの肌に合わない。
様と様と様ばかり出る韓流ドラマや、同じ服で同じダンスをする同じ顔面の連中が商品のように並ぶK-POPとか、あの類だ。
また過去つきあっていた彼女につきあわされる形で、DVDでの鑑賞ではあるが「私の頭の中の消しゴム」や「猟奇的な彼女」など、定番と呼ばれる韓流映画(あえて韓国映画とは書かない)も鑑賞したことがあり、すべてにおいておれが思った感想は「ヘドが出る」であった。
とにかくおれは、日本でどんどん勢力を拡大しつつある韓国カルチャーを徹底的に忌避し、さらにはディスってきた。
おれが新大久保駅周辺(韓国カルチャーのメッカ)を歩いたら、オルチャンメイクのギャルたちから、罵声と石を浴びせられるだろう。
いや、それどころか、人気のない駐車場で囲まれて、唾を吐かれて股間をぐりぐりされるだろう。
ちくしょう、望むところだ。
おれの価値観を破壊した一本の韓国映画
と、まあこんな感じでおれの中で、韓国カルチャーにネガティブなイメージしかなかったのだが、それを思いっきり覆したのがATSUSHIの勧めてくれた映画『OLDBOY』だ。
まあ正直、ATSUSHIの話だけでは全然観る気にならなかったのだが、聞くにこの映画、あのクエンティン・タランティーノが大絶賛していたというのだ。
タランティーノが「グレイト。できることならパルム・ドール(カンヌ国際映画祭の最高賞)はこの作品に授与したかった」と大絶賛した作品。
さーて、どんなもんかな。
と、おれは斜に構えた態度で亀田の柿の種を食べながら、ストリーミングで観はじめた。
45分後、おれはamazonでオールドボーイのDVDを購入していた。
ん? と思った方。
あなたの感覚は正しい。おれの行動がおかしいのだ。
ストリーミングで映画を観ている途中で、その映画のDVDをamazonで買ったのだ。
おれだってわかっている。これはおかしい。
このおれのラリった行動を説明すると、「これは間違いなくおれ史上に残る傑作で、データだけを保持しているだけでは飽き足らず、物としてしっかり確保しておきたい」ということだ。
いやー、めっちゃくちゃ度肝を抜かれた。
韓流ドラマのあのぬるい世界観の完全に真逆をいく、暴力性・生臭さ・迫力だった。
ストーリーの細かいところは色々と綻びはあれど、そんなところで語るべき映画ではない。
とにかく強烈な熱量が、今まで観てきた映画と桁違いだった。
【オールドボーイ あらすじ】
ごく平凡な人生を送っていたオ・デスはある日突然拉致され、気がつくと小さな監禁部屋にいた。
理由も知らされぬまま15年監禁され続け、ある日オ・デスはいきなり解放される。
監禁者への復讐を誓うデスの元に現れた謎の男は、5日間で監禁の理由を解き明かせと命じる。
オールドボーイの魅力はストーリーにあらず。
これ前に漫画「サターンリターン」について書いた時も言ったが、「オールドボーイ ネタバレ」もしかりで、もうマジで無意味だ。
この映画はいちおうミステリーやサスペンスにジャンル分けされるが、そんなところにこの映画の魅力はない。
とんでもない熱量、画面全体から発する暴力性がこの映画のキモであり、むしろストーリーに囚われすぎると、この映画の価値を見失うことになる。
この映画はハリウッド版も作られているが、ちょっと観たところ完全にB級駄作だった。
ハリウッド版は悪い意味でクリーンになっており、何かが決定的に足りてないけど、それが何なのかよくわからん、みたいのが観た後のおれの感想だ。
このアジア特有の臭みにも似たエネルギーの奔流を、アメリカの食材で再現するのは無理がある。
ストーリーは一緒なのに、不思議だなあ。
ただ逆にいうと、この映画の一番の旨味はストーリーではないってことが、ハリウッド版を観てはっきりとわかった。
そしてハマる韓国映画の闇
OLDBOYをきっかけに、おれは韓国映画の重く暗く、そして激しい沼にどっぷりとハマっていった。
どれもこれも熱量がえぐくて、描写がえぐくて、生臭さがえぐくて、要するに最高かつ最強の傑作揃いだった。
韓流ドラマやK-POPを生み出した国と同じ国とは思えない。
ブラボー、韓国映画!
でもファ●ク、韓流ドラマ&K-POP!
新大久保の人気のない駐車場でオルチャンメイクのギャルに囲まれて、唾を吐かれて股間をぐりぐりされる日まで、おれは叫び続けてやるからな。
では最後に、とりあえずこれらを観てピンとこなけりゃ、もう韓国映画は合わないと判断して良いというくらい、韓国映画らしい韓国映画をオススメしておきます。
【息もできない】
鑑賞すると、間違いなく「シバラマ」という単語を覚えることができる傑作映画。
シバラマの意味は「このド腐れチ●ポ野郎が!」みたいな感じ。
【母なる証明】
おれの経験上、人に勧めて一番良い反応が返ってくる作品。母の狂気的愛情は胸焼けするくらいどぎついぜ。
【パラサイト 半地下の家族】
2020年、第72回カンヌ国際映画祭の最高賞・パルムドールを韓国に初めてもたらした今いちばん熱い傑作。
後味最悪なのにまた食べたくなり、いつしか韓国映画でなけりゃ満足できなくなるコリアンの沼で溺れましょう。
ではではおやすみなさい。